院長コラム

2026-10-11 16:59:00

効果的にリハビリ運動を行うための原理(身整式が考える筋機能の原理)~シュロス法・側弯症エクササイズが効果が出る時と出ない時。さらにスポーツや自律神経系の悩みへの応用~

効果的にリハビリ運動を行うための原理(筋機能の原理)

~シュロス法・側弯症エクササイズが効果が出る時と出ない時。さらにあらゆるスポーツや自律神経系の悩みへの応用~

身整式のリハビリ体操の主たる目的は、萎縮した体幹インナーマッスルや抗重力筋を膨らませるというものです。

なぜなら、姿勢維持や関節の可動域を確保するための関節の隙間はこれらの抗重力性を持った筋肉の膨らむ力で維持されているからです。抗重力筋の機能は収縮よりも膨らむことです。これには密になった毛細血管の水圧が重要な力になっており、重心の制御作用や姿勢維持は主としてこの水圧が重要な力なのです。

脚の主要な関節である膝関節や股関節が変形を始める理由は、これらの関節を支持する抗重力筋の萎縮、すなわち膨らむ力が衰えてきたからです。現代医学でも関節の変形は筋力の衰えであるということを言っています。例えば、MRIなどの画像検査で体力的な自立機能の衰えのある人の大腰筋の画像を調べた結果、その容量が少なくなっているということを突き止めています。しかし、身整式の見方で見ても検査画像を見るまでもなく、その歩き方を見れば大腰筋を始め下肢の抗重力筋の容量について分ります。例えば昨今ではエスカレーターの速度が20年前よりゆっくりになりましたが、これも高齢者の人口増加や運動不足気味の人も増え、事故が起こるようになってきたからです。立脚相の安定、即ち、片足立ちの安定が変形を始めた脚にとって著しく弱っているからです。

この様な抗重力筋の弱った脚を、マシンを使った筋トレで訓練しても片足立ちの機能がよくなるわけではありません。なぜなら筋トレは抗重力筋や体幹インナーマッスル以外のアウターマッスルを収縮性に訓練するものであって、かえって抗重力筋を萎縮させてしまう恐れがあるからです。

これは佐々木朗希君が本能的に筋トレをしたくないと感じていることに一致しています。それぞれの体質に合った訓練法があります。

その体質の見分け方の原則として、アウターマッスルは収縮性に機能して、抗重力筋や体幹インナーマッスルは膨張性に機能するという筋機能の原則を知る必要があります。

 

スポーツ障害、野球肩・シンスプリント (3).jpg重心を変化させると抗重力筋の水圧(血流圧)が変化する。重心制御作用の基本理念

大腰筋や多裂筋は膨らむことで脊柱を縦に伸ばすことができるという抗重力作用を理解する。膝や股関節などの関節の隙間も抗重力筋の膨らむ力で維持されている。

ここまでの説明は現代の基礎医学や運動学には存在しません。

シリンダー3.jpg

 

医学は始めに骨格筋を収縮と弛緩という見方で機能分類をしており、膨張性という機能については全く気づいていないのです。

しかしよく考えて下さい。収縮するにせよ弛緩するにせよ、そこに膨張性という働きなくしてヒトの身体が立ち上がることはできません。また膨張していなければ収縮できる容量が存在しないことになります。膨張性は予めある力の容量であったためにあまり重要視されませんでした。例えば私たちは元気な時自分の体を重いと思ったことはありません。これは自分の体重は楽に支持できる程度に予め自分の体に力が備わっているということなのです。しかしぎっくり腰の様な痛みの酷い腰痛になったら自分の体の自由が奪われ、そこで自分の体が重いことに気づきます。この自由とは予めあった無意識の力が奪われた状態であることを指しています。

この予めある力は無意識レベルの力なのでこれまでの筋トレの様なやり方では訓練ができません。体幹インナーマッスルや抗重力筋は筋トレとは全く違う視点で訓練するものだということです。例えばシュロス法の身体を傾けるマッスルシリンダーというのは重心を傾けて起立筋が膨らんだという重要なエクササイズのヒントを示唆したものです。

スポーツ障害、野球肩・シンスプリント (1).jpg

傾けることで弱い起立筋が膨らんで凹側を膨らませ拡張できるという発見は重要なのですが、骨格筋に膨張性の力があるという解剖学的視点の欠如のためこれが理解されず誤解されたままで今に至っているのです。

 

 

2026-10-08 16:47:00

むち打ち症について「抗重力重心制御作用・身整式の見方」

むち打ち症について

むち打つ症は受傷直後より、日が経つにつれてむち打ち症の症状が明らかになるという特徴があります。

これは骨格筋に自動制御レベルにおいても学習能力があるからであり、受傷時の衝撃を骨格筋の自動制御的反射レベルで学習し防御反応が強まったことを意味します。これにより日常的な行動レベルのわずかな振動でも防御機構が不適切に過剰に反応して日増しに筋肉の緊張が強まり、衝撃を記憶した筋肉の硬化が進みます。これが首や肩こりの増加、頭痛などの痛みを発症させるのです。

これは関節や骨格筋の可動域を見ることに慣れた視点からは観察できますが、骨格を見るレントゲン画像だけでは分からない見方です。

即ちこの見方は抗重力・重心制御作用に基づく反射作用を見るという習慣がなければ養えない視点です。これは合気道の呼吸力という作用に気づくくらいの体を使う習慣、いわゆる稽古を通して、力を抜いた時に力が出るという体験から、筋機能の真実が理解できる体の仕組みであるからです。

まず、理解すべきこととして、アウターマッスルは収縮作用が中心で力を使っている感覚があって交感神経の緊張と関連します。一方、姿勢や重心を制御する主体であるインナーマッスルは膨張作用が中心の筋肉で力を出しているという感覚がありませんが、自分の体の重さを感じることなく支持するくらいに実は力が潜んでいます。そしてこの膨張する力の筋肉は副交感神経の機能を促進させます。この特徴に気づくことが重要です。むち打ち症の場合も防御反応が過剰になったのは、衝撃を記憶して交感神経を過剰状態にしてしまったことによります。抗重力・重心制御作用の反応から不適切な筋肉の緊張を解き、当院の身整式体幹インナーマッスルの膨らむ体操で改善されます。

これは体性・内性反射作用を抗重力・重心制御作用に基づいて、適切に反射作用を応用し筋機能を修正するというものです。この辺の仕組みは合気道やヨーガなどの修養法を生理学的に理解していく上で重要です。 

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2026-08-26 15:33:00

マッスルシリンダーの真実~シュロス法・側弯症運動療法が効果が出る時と出ない時~

~側弯症、膝・股変形関節症の改善に関わる筋機能とは~

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シリンダー反応を引き出せる動作は傾ける以外にもあるのです。ゆえに傾けるエクササイズだけで完結してはなりません。この先が存在します。この発見は始まりに過ぎません。

マッスルシリンダーとは 「筋肉にふくらむ力がある」 ということを明確にした言葉です。

ゆえに 「傾けるエクササイズの名称」 としてマッスルシリンダーを使うのは、原点を忘れています。

骨格筋には、毛細血管が密になっていますが、これは 血流圧という水圧の力を可能にするためであり、これを土台として骨格筋は収縮できる ということを示唆します。

しかし、この説明は今日の医学的な常識から見たとき不可解なことに見えるはずです。なぜなら医学は骨格筋の機能を収縮することで動く、と学び、骨格筋に膨張作用があるということは、これまで言及もなく気付くこともなく考えられても来なかったからです。

これは私たちが重力に抗って立っていることは当たり前で、そこから力を使うとき初めて筋肉を収縮(力ませて)させて動いているという実感が現れ、ここからが筋機能である、と思ってしまったからです。

予め在る 「ふくらむ力」 は無意識の作用(自律性の機能)なので考慮されませんでした。

だから力ませて収縮させないと運動にならないと考えます。

これがリハビリや側弯症改善、関節変形改善のための体操のときには当てはまらないのです。

収縮させる以前の ふくらむ力、マッスルシリンダー が足りていないからです。

今日のリハビリにおいて、筋力の回復にはすべて、骨格筋を収縮させることから始まることが当然になっています。この収縮方向に負荷をかけることが筋肉の訓練であり、これ以外の発想はないのです。

元気なときならばこれで構いません。予め、筋肉にふくらむ容量が充分にあるからです。

しかし痛いとき、関節が変形したとき背骨が側弯を起こしたとき、この見方は 全く反対方向の訓練法である ということを理解しなければなりません。

収縮させる運動方向は、委縮した骨格筋をさらに委縮させるからです。

ゆえに 「関節の変形」や「脊柱の側弯」の改善には不適切 です。

昨今、これに関係した重要なロボット開発の研究があります。

そのヒントは始めにアニメの世界から始まったようです。

ロボットを主人公にしたアニメの世界で、アニメ「装甲騎兵ボトムズ」等に登場するロボットには人工筋肉 「マッスルシリンダー」 が、主人公ロボットの動力となっているのです。良いネーミングですよね「マッスルシリンダー」アニメ創作者の発想は豊かです。

これを実用化しようという研究が東工大の鈴森教授によって行われています。

東工大の研究は油圧式シリンダーによってロボットの動的構造を実現しようというものです。

この事実は、筋肉が収縮以前に一定の水圧によって(ロボットの場合は油圧) 膨らむ力が無ければ立って動く構造体は作れない という物理的な事実を明確にしたものです。

即ち骨格筋は収縮以前の油圧シリンダーのように 膨張性能を持っていなければならない という事実を明らかにしたものであるということが言えます。

身整式では、これを 抗重力・重心制御作用 という概念で捉え、ヒトの身体が立ち上がり直立二足歩行を可能にするには、その抗重力作用(重力に抗って立ちあがる)を実現するのに骨格筋は収縮以前に膨張していなければならない、と、公式ブログなどで説明してきたことに符合します。

医学は骨格筋を収縮という視点でばかり見てきました。人が立っているのは当たり前で、ここから可能になっている骨格筋の動きが収縮であったために、ここにまず目が向いてしまったのです。しかし、リハビリにおいては、当たり前であったレベル、すなわち 収縮以前の土台のレベル に目を向けなければなりません。

当たり前が当たたり前に動けなくなってしまっているというのが患者さん側の本音です。

訓練すべきは、 予め基礎的に筋肉に備わっていた膨張力(シリンダー機能)を取り戻すこと なのです。

ここに初めて目が向いたのは、ドイツの側弯症治療 「シュロス法」における「マッスルシリンダー」 というものです。

シュロス法のテキスト(中村尚人監修)では、身体を傾けることで脊柱のカーブの凹側に脊柱起立筋がふくらみ、脊柱を戻す力となるということが数行で説明されています。

身整式が注目したのはこの数行です。これこそが 筋機能の本質 をついているからです。

しかしシュロス法のテキストですら、この説明が数行という一部であり、骨格筋の膨張する力を如何に凹側に応用すればよいかという実用的なレベルにまだ入っていないのが現状です。

変形した骨格を戻そうというのですから、これを行う側弯症の方、本人の根気も不可欠な訳ですが、そのエクササイズにおいて 「実用的なレベルのものが少ない」 という状況は何とかしなければなりません。

幸い、私どもは合気道なるものをやってきました。これは骨格筋のふくらむ力を優位にして収縮性の張力を最小限にして重心を崩さずに動くという武道動作の訓練です。

難しいことは、一旦、置いておいて、

分かりやすい例えでいくと・・・、

例えばタイガーウッズは

「ゴルフスイングでボールを遠くに飛ばすには力を抜くことだ」 と説明します。

これを真実の筋機能から見たとき、ふくらむ力(マッスルシリンダー)を優位にして張力(収縮性の力み)を最小限にした方が最大の力をインパクトゾーンに集中する動作になるということを説明したものです。収縮中心の「力ませる力」はそれほど重要ではないということを言っているのです。

意図的な収縮という張力(力み)を使うより、 潜在意識的なシリンダー反応と一体化する方が最大のパフォーマンスを生む のです。

これに近いことは多くのスポーツ選手がよく言うことです。

少し違った視点で見ていくと、例えば、私たちは元気なとき自らの身体を重いとは感じません。しかし体は重いのです。自分の身体を支えるのは無意識の筋力であって、これが ふくらむ力、マッスルシリンダーの本質 です。ゆえに疲労が蓄積してきてシリンダー機能が落ちると身体は重く感じるのです。

このような作用を、身体を傾けたときそのシリンダー反応が脊柱カーブの凹側に自然に現れ、目に見える状態にあったということです。これがシュロス法の示唆した重要な発見です。

力士が四股を踏むという稽古も、シリンダー反応を重視した動作です。足を上げて傾けるでしょう。

これがマッスルシリンダーを引き出すヒントでありリハビリ運動創作の最大のヒントです。

身整式はこの気付きから、マッスルシリンダーはどのような動作でどのようにして引き出せるのか、という工夫が急務であると考え、身整式はシュロス法のテキストを手にした2016年から、傾けるだけでなく、シリンダー反応を引き出せる体操動作を自分たちの身体でやってみて、研究しました。そして、これならば実用的に勧められるというエクササイズを考案しました。その結果を改善症例で見ることが出来ます。

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収縮(意図的)よりも

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血流圧(水圧)を使う動き、が重要なのです。

 

 

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